重伝建の街並み
角館を歩き、歴史を紐解く。
HISTORY
江戸時代の面影を残し、情緒ある街並みから「みちのくの小京都」と呼ばれております。元和元年(1620年)に芦名義勝によって作られたこの町は、火除け(防災地)を中心に北に武家町(内町)、南に町人町(外町)、町人町の東には佐竹一族である今宮組下の武士団が居住する「田町武家屋敷」を配した近世初期城下町です。やがて芦名家が断絶し、明暦2年(1656年)久保田城主佐竹氏の一族、北家の佐竹義隣が角館を統治するようになり、以後200年余りに渡って仙北地方の政治・経済・文化の拠点として栄えることとなります。佐竹氏は京都の公家出身だったため、京文化も色濃く伝えられ、深い樹木や、重厚な武家屋敷が、今でも当時の面影を残します。そんな文化と伝統が今もなお色濃く残る武家屋敷通りを、ぜひ散策してみてはいかがでしょうか。
城下町と桜
CASTLE TOWN AND CHERRY BLOSSOMS
武家屋敷としだれ桜
武家屋敷通りは趣のある黒板塀が続き、屋敷の入口にある大きな薬医門が、格式の高さをうかがわせます。屋敷内には数々の大木や草花が茂り、四季折々の表情は見る人の心を和ませます。中でも、佐竹氏が京都から移植したとされるしだれ桜は、長い年月をかけ大切に育てられ、春には満開の花が人々を魅了します。
桧木内川堤ソメイヨシノ
武家屋敷通りのすぐ隣を流れる桧木内川堤には、2キロメートルにもわたり、ソメイヨシノが植えられています。昭和9年(1934年)に上皇陛下誕生記念として植樹され、武家屋敷のしだれ桜と並び、「さくらの名所100選」に選ばれています。
内町
UCHIMACHI
黒石家 仙北市指定史跡
武家の格式を示しながら、簡素なたたずまいの石黒家。道路面にはのぞき窓をつけた黒板塀がめぐり、現存する武家屋敷の中で最も格式が高く古い屋敷です。
青柳家 秋田県指定史跡
表間口にある薬医門には、万延元年(1860年)大工棟梁柴田岩太郎銘の記された矢板があります。道沿いにめぐらせた武者窓(のぞき窓)のついた黒塗りの簓子下見塀が特徴の、格式ある造りの屋敷。代々伝わる品々の公開施設になっています。
岩橋家 県指定史跡
屋根を茅葺から小羽葺にしたに変えられた建物です。水屋に見られる蔀度(しとみど)は古い建築様式を伝え、樹齢300年前後と推定されている柏の木がこの家のシンボルとして立っています。
河原田家 仙北市指定史跡
江戸時代の武家屋敷建築様式をそのままに、書院造の様式が残された家です。屋敷内には様々な樹木が植えられており、その中のひとつユリノキは先々代河原田次繁の同級生であった宮沢賢治から贈られた記念の木です。
小野田家 仙北市指定史跡
明治33年(1990)の角館大火で焼け落ちたあと、再建された建造物です。小野田家は心陰柳生流剣術や林﨑流居合術の師役代を務めるなど武術によって仕えていたため、かつては門をくぐった右側に道場がありました。間取りは中級武士の屋敷をそのまま建てられ、×松木武家屋敷の様式を見ることができます。
角館樺細工伝承館
角館では、藩政時代に下級武士の内職として、樺細工が古くから盛んでした。樺細工を始めとして工芸、文化、歴史資料の展示室や、樺細工製作実演、また物産展示室など見どころ満載です。
外町
SOTOMACHI
西宮家
ホテルから徒歩3分、角館のもう一つの武家屋敷通りである、田町武家屋敷の代表格。地主としてもっとも繁栄した明治から大正の時期に作られたこの屋敷は、5つの蔵と1つの母屋からなっています。母屋は古文書や資料品の展示、蔵は本格レストランや和雑貨のショップがございます。
安藤醸造 本店
蔵座敷として東北地方に現存する最古の建造物です。創業嘉永6年、代々伝えられてきた技術を受け継ぎ、現在も伝統の味を守り続けております。煉瓦造りの蔵は仙北市有形文化財として登録されています。